このページは「夏井いつき句会ライブin狛江」の内容とは関係がありませんので、あらかじめご了解ください。
皆さんがいつも何気なく話したり書いたりする ことば ですが、実はとても興味深い役割を果たしていますね。
現代は、毎日を忙しく過ごしている人も多く、写真やLINEのスタンプなど、ことばに代わる簡単な情報の伝達方法も広く受け入れられています。これらは「伝える」という意味で早くて便利な道具ですが、ここで ことば に少し意識を向けてみると、ことばの方は、自分が考えたことや伝えたいことをぴたりと「表現」できそうです。そのような、自分の中に芽生えている ことば のちからを、もっと伸ばす体操をしてみましょう。
例えば俳句は、世界で一番短い定型詩と言われています。定型とは基本となるルールのような意味ですが、
1.五音・七音・五音という短いことばのリズムで表すこと、
2.季節のわかる言葉(季語)を入れること、
という2つのルールを意識して、自分の気持ちを表現したり、誰かがつくった詩をよんで、場面や気持ちを想像し、共感するという楽しみ方があります。これは日本の歴史の中で、多くの人に親しまれてきた独特の文化でもあります。
ここでいうリズムを体感するのには、声に出したり、指を折りながら数えたりという方法も有効です。全国の小・中学生が実際に作った詩(俳句)をいくつかご紹介しますので、ご一緒にリズムと音のイメージをつかんでみましょう。
かぶとむしじまんのつのでぼくをおす 小1 *
さかあがりできてひろがる秋の空 小2 *
たけのこよぼくもギブスがとれるんだ 小2 **
いかがですか。
そして今度はじっくりと、俳句の中の情景を想像してみてください。
たんぽぽの種はどこかへ行くとちゅう 小5 *
やきたてのクッキーみたいな春の風 小4 **
赤とんぼ飛びなおしてももとのえだ 小6 *
さそり座の尾の一げきに流れ星 中2 **
秋の風まだ飛び越さぬバーが高い 中3 *
※句末に付された学年は俳句の発表当時のものです。
参考* 友未哲俊著, 小・中学生の俳句 -下の句、上の句- ,2023.8.20
「カクヨム」
出典元 『小・中学生の俳句』(水野あきら著、あさを社)
参考** 青木幹勇著, 『授業 俳句を読む、俳句を作る』, 太郎次郎社エディタス, 2011.6.
短いことばでも、相手が伝えたい場面だけでなく温度や音、色、香り、そして
その時の気持ちまでも伝わってきそうですね。
さあ、準備体操はできましたか。当日、ことば のちからに目覚めたみなさんのお席を用意して、参加をお待ちしています。
風人